wagashi asobiの初の単行本『わがしごと』について【ローカルで本を作る 第1回】
コトノハでは2013年から「地元をもっと楽しもう」をテーマに、読み物で地域おこしをする、東急池上線のローカル文化誌『街の手帖 池上線』を発行してまいりました。
今回、そんなローカルな場所での出会いにより、一冊の単行本を発行することになりました。
それが和菓子創作ユニットwagashi asobiさんが綴った初の単行本『わがしごと』です。
wagashi asobiとは、2011年に創業した、大田区上池台に小さなアトリエを構える和菓子店です。
この小さな和菓子店は、創業以来、国内外様々なメディアから取り上げられ、和菓子業界からも注目されており、今回が彼らの初の単行本となります。
メールやSNSが全盛の時代に、ご近所さんに直接行って取材をし、編集をするー。
今回のwagashi asobiさんの本の制作過程は、昔ながらのというか、極力メールを使わず、何かあったらすぐに顔を合わせてやりとりをするという方法で行ってきました。
(実際、wagashi asobiさんとコトノハは、歩いて3分ほどの距離です。)
今回、本の装幀を担当するのは「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」をはじめ、文字組でインパクトのある装幀を行う水戸部功さん。
また、写真は、パリを拠点に活動するフードデザイナーのsaji MIHOさんにお願いしています。
さらに、今回の著者であるwagashi asobiさんと、私たちのコトノハのある池上線の長原駅周辺の人達の協力のもと制作しています。
タイトルの「わがしごと」には、
「和菓子ごと」
「wagashiごと」
「わが志ごと」
「我がしごと」
「わがし毎」
など、様々な意味がこめられています。
職業とはなにか?
仕事をするとはどういうことか?
和菓子や日本文化に興味のある方はもちろん、
独立を考える和菓子職人さん、
サラリーマンから独立起業を考えている方、
仕事に悩むビジネスパーソンに向けて、
注目の和菓子ユニットが綴った
メッセージの詰まった一冊です。
ここ数年、隔月刊でローカル誌を発行し続けてきて、人は面白い文章に出会いたいし、同時に、面白いことに自分もかかわりたいという願いがあるということを肌で感じています。
沿線の人たちに向け、沿線の書店さんに自分たちで配本しながら思ったのは、物質としての本は、まだまだ可能性があるということでした。
現在では、この沿線内だけで流通していた小雑誌も、徐々に他の地域から注目していただけるようになってきました。
今回の「wagashi asobi」さんの単行本は、東京の小さな沿線の街で生まれた、沿線以外の全国の方たちにも胸を張って差し出すことのできる本です。
wagashi asobiさんにとっても、私たちにとっても初の単行本となる今回の『わがしごと』。
この記念すべき一冊を、是非ともお手にとっていただければ幸いです。
今後も、このサイトで、本の制作過程をご報告してまいります。