コトノハ|編集と出版

コトノハメディア135 コトノハがわかる

【五反田コワーキング事情・後編】「五反田でコワーキングスペースを活用するなら」

●pao

そして4か月後の2014年11月に「pao」がオープン。代表の鈴木英三さんに聞くと「会社を退職して、なにをやろうかなと考えたとき、コワーキングスペースがいいなと思ったんです。

仕事の関係でフリーランスの人たちのことは知っていたので、そんな人たちが働ける環境を作り、力になりたいと考えました」とのことです。

ここの特徴は「利用者が集中できること」。

集中できるよう、照明も少し暗め。ミーテングをしたい人のために会議室が用意されています。IT系のエンジニアが多く利用しているとのことです。

この3つのコワーキングスペースが原点。コワーキングスペースはいろんな想いから生まれたのです。そしてその後、五反田にコワーキングスペースが続々と誕生することになります。

2015年1月「オフィスサークルN五反田」
2016年12月「ZXY 五反田」
2017年1月「Basis Point五反田店」
2018年3月「Coin Space by Centro五反田駅前店」
2018年9月「BIZcomfort五反田」
と、現在、8店舗もあります(多分)。

フリーランスだけでなく、資格を取るための勉強場所としても活用

五反田のコワーキングスペースは、どちらかと言うとフリーランスで仕事をする人が多く利用しているようです。

「オフィスサークルN五反田」は、フリーランスで仕事をする人もいますが、起業したてのベンチャー、資格を取る勉強をするために使っている人もいるそうです。そのためコワーキングスペースの奥には、より集中できる個室の自習室が用意されています。さらに、コワーキングスペースの上はオフィススペースになっていて、コワーキングスペースでは手狭になった人がオフィスを借りるとのことです。

「ZXY 五反田」「Basis Point五反田店」「Coin Space by Centro五反田駅前店」「BIZcomfort五反田」は、いずれもチェーン店的なもの。

「Basis Point五反田店」を運営するAscent Business Consulting代表の北村貴明氏によると、Basis Pointの特徴は、「運営している6店舗全てが、ホテルラウンジのような高級感をモチーフにした設計になっていることです」とのこと。

「Basis Pointで仕事していることが、お客様のステータスになってもらえるような空間づくりを目指しています」といいます。

また、「1day料金を前払いしていただくと、1日中全店舗を自由に出入りできることも特徴です」とのこと。現在6店舗運営するBasis Pointが五反田にコワーキングを作った理由を訊ねると「Basis Pointの1店鋪目を新橋で出店して『ビジネス街には、これからコワーキングスペースの需要が来る』という自分の仮説に手応えを感じました。

2店舗目を出店する土地として、品川や渋谷といった大きなビジネス街にほど近く、またベンチャー企業が集う街として賑わい始めた五反田に目をつけたことが理由です。加えて、当時の五反田は都内の他地域に比べてコワーキングスペースの競合他社が少なかった、という戦略的理由もあります」とのこと。五反田は注目されていた場所だったというのが驚きです。

五反田でコワーキングスペースを探す人は、まずは各所見てみて、雰囲気や便利性、特徴などを調べてから利用するのがよいでしょう。また、なかには「ドロップイン」という時間単位で使用できるところもあるので、実際に使用してみて自分に合っているかどうかを調べてみるのがよいと思います。

空場所の有効活用から戦略的活用へと変化するコワーキングスペース市場

最後に、「CONTENTZ」の管理人の鬼頭佳代さんにコワーキングスペースのことを教えてもらいました。鬼頭さんはライター・編集者でもあり、冊子『コワーキングスペース 運営者の教科書』(有限会社ノオト/2019)の執筆者(山下陽子さんと共著)でもあります。

─調べてみると、ほぼ、1年に1か所はコワーキングスペースができているみたいですね。

鬼頭:五反田だけでなく、大崎や田町の方にも増えています。

─田町にもあるんですか?

鬼頭:例えば、田町にある森永製菓さんが、社屋の2階を「MORINAGA Village(森永ヴィレッジ)」というコワーキングスペースにしています。可愛いスペースですよ。五反田にも伊藤忠テクノソリューションズさんの「Innovation Space DEJIMA」ができました。ここは、事業共創を目的とした企業やスタートアップを対象とした会員制スペースです。

─コワーキングスペース市場ってどうなんでしょう?

鬼頭:数は、増えているようです。以前は個人や小さな会社がオーナーになるケースが多かったのですが、最近は大企業がコラボレーションを狙って自社にコワーキングスペースを作ることも多くなってきました。また、サウナ付きなど、集中だけでなくリラックスもできるコンセプトのスペースも登場しています。

─面白いですね。

鬼頭:一方、地方のコワーキングスペースもさまざまな取組みをしています。福岡のシェアオフィスSALTさんは美しい海が見えるロケーションのスペースです。仕事とバケーションの組み合わせですね。

─地方のコワーキングスペースに仕事しに来てくれたら補助金を出す、みたいな取り組みもありますよね。

鬼頭:そうですね。海外のコワーキングスペースが日本に入ってきていることも外せません。

─コワーキングスペース需要が高まっている、ということですよね。

鬼頭:はい。「CONTENTZ」の利用者数も増えていて、現在が過去最高です。五反田は「五反田バレー」というITベンチャーが集まる街として注目されていますし、リモートワークで仕事をする人が増えていますね。23区内の企業に勤める池上線沿線にお住まいで、五反田でコワーキングスペースを借りる人もいます。池上線は山手線より混んでいないですし、通勤時間の負担も減らせるので。

─五反田のコワーキングスペースも増えているので競争になったりしませんか?

鬼頭:それぞれのコワーキングスペースで特徴が違いますからね。利用者は値段や施設などを比べ、自分に希望に合ったスペースを選べるのはすごく良いと思います。

─ありがとうございました。


五反田のコワーキングスペースは、フリーランスの増加や、スキルの向上、さらに働き方改革によるリモートワークなど、さまざまな要因で利用者が増えているようです。

なにしろ五反田は新宿、渋谷、それと品川、東京の真ん中。どちら方面に行くにも便利。さらに品川から新幹線、羽田、成田で飛行機に乗るのもアクセスが抜群と立地の良さ。ますます注目の街になりそうです。

●VACANCY OFFICE GOTANDA
https://www.vacancy.jp/
●CONTENTZ
https://contentz.jp/
●pao
https://pa-o.jp/
●Basis Point五反田店
https://basispoint.tokyo/store/coworking/gotanda/
●BIZcomfort五反田
https://bizcomfort.jp/tokyo/shinagawa/gotanda.html
●オフィスサークルN五反田
https://office-circle-n.com/
●Coin Space by Centro五反田駅前店
https://coinspace.jp/centro/
●ZXY 五反田
https://mwo.infonista.jp/office/gotanda/

※【五反田コワーキング事情】五反田でコワーキングスペースを活用するなら【前編】はこちら。



大橋博之
インタビューライター。インタビュー専門で執筆。専門はWEBメディア、未来、テクノロジー、ビジネス、カルチャーほか。

※本原稿のエッセイ版が、2019年9月発売予定の『街の手帖』31号にて掲載予定です。


PAGE TOP