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編集雑感|松波太郎「言葉と身体」について

日々の暮らしをしていく中で、身体からくる痛みみたいなものが、だんだん毎日の気分をコントロールしているのかなと思いはじめていた5年くらい前から、積極的に指圧やオステオパシーやはり灸などを受けるようになりました。

そして昨年の5月頃、たまたま飲み会で一緒になった、小説家であり、北浦和で豊泉堂というはり灸院を開設したという松波太郎さんと話しているうちに、彼の小説と施術に興味を持って訪ねていこうと決めました。

出会うまで松波さんの小説を読んだことがないと思い込んでいて、施術に伺う前に、施術のことに少し触れている「ホモサピエンスの瞬間」という小説を読んでいきました。

松波太郎さんの豊泉堂は、北浦和駅から徒歩6、7分ほどの住宅街の中にありました。
実際に施術を受けてみると、最初に簡単なアンケートを記入してから、ぽつぽつと会話をしながら施術に入っていくのですが、さささっと付されるハリが絶妙な塩梅で効いていくのがわかりました。
そしてこれは確実に、いままでに受けたハリの中で一番の効果があったので、その後、「言葉と身体」をテーマに原稿を依頼しました。
臨床家が言葉と身体をどう捉えているのか、興味があったからです。

体に不調があった場合、その症状をうまく説明することができない場合が自分の場合よくあります。
自分の体の不調について、うまく言葉にすることができないので、なんだか当たり障りないことを答えてしまうのですが、実際に送られてきた原稿を読んでみると、そんな問診の話題をまず最初に書いてくれていて、なるほど言葉と身体はなかなかねじれているのだなと納得。
人って、自身の状態を的確に表現できているかといったら、実際はそうでないことが多々あるんですよね。

また、よくよく考えてみたら、ぼくは松波さんのデビュー作「廃車」をリアルタイムで、当時買っていた文學界で読んでいたんですね(しかも池上線に乗っているときに)。

普段はローカルな本を作っている我々ですが、身体というのは、人にとって一番近いローカルです。

ぜひ身体を楽にして自分に一番近いローカルな「身体」と「言葉」についての松波太郎さんの連載、ご覧ください。

《リンク:「言葉と身体」松波太郎




針谷周作
コトノハ代表。
池上線のローカル文化誌『街の手帖』、大田区文化振興協会発行の『ART BEE HIVE』の編集長も務める。

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