大岡山に新しい文化発信基地「青熊書店」がオープン
コトノハ
東京科学大学のある大岡山駅の北側の路地に、3月15日にオープンしたのが青熊書店。
店先にある特価本コーナーには100円から300円の本が並び、その下には日本文学全集も揃う。古本と新刊も取り扱う書店だ。

店先から温もりを伝える木の壁は、以前ここで営業していた喫茶店のものだそう。
店内に入ると、本とともに紅茶や雑貨が並び、レジカウンターの奥には、かつてあった喫茶店をしのばせるコーヒーカップが置かれた木製の棚が。こぢんまりとした店でありながら、気の利いたチョイスで、来訪者の期待を膨らませてくれる。


店主の岡村さんは、熊本の出身(かつて熊本でタウン誌の編集者もやっていたそう)。そして夫が青森出身。だから「青熊書店」という名前を付けたのだという。なんともかわいい名前だ。
岡村さんと話しているうち、あくまで自然体な会話のなかから、いままで知らなかった本のことをいろいろ教えてもらった。ちょうど店に来訪していた高齢のお客さんも、「ネットだとどんな本なのかわからないので、お店があるのは貴重だわ」と岡村さんとの会話を弾ませていた。
岡村さんおすすめの編集者・橘川幸夫さんが発行する『イコール』を買って会計を終えると、ポイントカードがもらえ、そこに青森のりんごの名前や熊本のすいか、デコポンと書かれた数種類のシールの中から好きなもの選んで貼る。小さなところにも楽しませようという遊び心をしっかりと持っている。
あたたかな店の雰囲気と、楽しくて勉強になる岡村さんとの会話が楽しいお店。大岡山の新しい文化発信基地になりそうだ。


